各国のスパイが暗躍する第一次世界大戦勃発直後の日本。憲兵隊司令官・脇坂中将の命によりスパイ狩りを遂行する愛国団体・東狼会が集めた腕利きの武芸者の中に桜木鉄拳の姿があった。“稀代の拳法使い”と怖れられながらも気楽な用心棒稼業を続けていた鉄拳は、東狼会の創始者・黒田に見込まれ、一人あたり三百円の契約で狩りを請け負った。最初の仕事は、ドイツ・ロシアに情報を売るスパイ団のボスで横浜・中華街の同海楼飯店の主人・鄭を倒すことであった。だが、死闘の末、鄭を倒したにもかかわらず日本軍の青島奇襲作戦はドイツ軍に洩れていた。真の首謀者は誰なのか?身代わりとしてスパイに仕立て上げられた鉄拳の身に危機が迫る…。
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