本作は、少年の紡ぐ物語が暗黒の現実を浸蝕し、真実の光を放つディストピアから天上の涅槃へと跳躍するネオSFサスペンス。ある片田舎の中学校で、転校生のオサムはホウスケという少年が同級生に自作のマンガを汚されているのを目撃する。マンガの題名は「虚無ダルマ」。それはフリースタイル説法で街を支配する虚無ダルマと米国のスパイであるジョージ・ワタナベらが、達磨光現器と呼ばれる謎めいた機械をめぐって繰り広げる暗黒活劇だった。マンガの世界と現実が混濁していく中、ホウスケは虚無ダルマの組織で働く謎の青年「マルヤマ」の姿を見る。そして憑かれたような表情で登校したホウスケは「宇宙人の画家の絵を見た」と全校生徒に向かって叫ぶ。
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